京都の建築家プロ集団(大阪・滋賀・奈良・兵庫)のオープンハウス

建築家プロ集団 イベント報告・オープンハウス

 
< M邸 >
設計者 中村潔建築設計事務所  中村 潔
日時 平成18年3月19日  
所在地 京都市上京区塔ノ段寺町通今出川上ル
 
住宅が密集する中、南北に伸びる通りから西に幅員4m道路を進んだ袋小路の突き当たりに、その住宅は位置する。周辺環境はお互いの住宅同士が接近し、窮屈な状態であるがこのM邸にたどり着いたときには狭い感じが全く無かった。むしろ接道面からセットバックすることによりゆとりのあるエントランスを提供している。重なる白い箱が印象的な住宅だ。野暮ったい部分は一切無くシンプルかつ美しい建物だなあ、という印象を受けた。

 木製の玄関引戸を横に滑らせ、中に入ると床は全て600角のタイルが敷き詰められて、上框などはなく段差も一切無いフラットな床仕上だ。室内色は床壁天井ともに白。ただダイニングキッチンの吹き抜け部分の2階の一面のみ深い赤という一風変わった配色となっている。この壁は奥に向かって斜めになり不思議な空間を創り出している。この壁がこの住空間に大きなインパクトをとスパイスを加えている。真っ白の家の中心に深い赤の壁。しかも垂直からゆったりと角度が付いていく壁。さて1階のLDKに面して中庭が配されているが角に柱が無く木造とは思えない空間を演出している。正直言って、事前に工法を聞かなければRC造と判断していたと思う。それほどの空間。この創り方は非常に興味深い。

オープンハウス時はもちろん家具などが入っていないので全くと言って良いほど生活感の無い住宅だけれども、ここに家具が入ればどのように変化するのかとても気になるところだ。中央2階にある1枚の壁以外は白の家。
ぜひ5年後に訪れてみたい。